================= 第 2 弾 !!  
 5月沖縄芝居公演 「多幸山」 稽古場レポート!
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      5月28日(土)、29日() 大劇場で上演される、真喜志康忠の名作「多幸山(たこうやま)」。本番を
     今週末に控え、連日稽古が続いています。今回の稽古場レポートは、5月18日(水)に行われた第1部と第
     2部のお稽古の様子をお届けいたします。
 
       まずは、第1部「沖縄芝居役者の踊り」から、大稽古室でのお昼のお稽古です。長年沖縄芝居を支え
      てきた錚々たる出演者の方々に1曲ずつ踊っていただく贅沢なプログラム。
        手前味噌ですが各劇団の顔ともいえる沖縄芸能界の重鎮の方々が一堂に会して演じていただく豪華
      な番組作りは「国立劇場おきなわ」ならでは、といえるのではないでしょうか。
 
おっと、お稽古はすでに始まっていました。
 
「麾」を踊られる、仲嶺眞永さんです。
この舞踊は、公演の最初に踊られ、麾をふることで場を
清めるという意味があります。ベテランならではの、無駄
のない動き。思わず見入ってしまいます。
 
右奥は、太鼓の髙宮城実人さんです。
 
 
   左:「恋路枕」の泉賀寿子さんと杉野早苗さん。愛し合う男女の艶やかな雰囲気が伝わって来ます。
   右:「みやらび」を踊られる與座朝惟さん。しなやかでなんともいえない柔らかな動き。
   どちらも愛の喜びを讃える踊りです。
 
 
 
「夫婦舟」の瀬名波孝子さんと宮里良子さん。こちらは男女の仲といっても、連れ添った仲の良い夫と妻の関係を舟の帆柱と舟の心になぞらえた、滑稽さのある舞踊です。
お二人の息のあった掛け合いもおかしくて、周りからも思わず笑い声がこぼれます。
       本公演では、第2部の演技指導もされる
      平良進さんの「取納奉行」。
       軽やかな中にも、端々にキリリとした動き
      のある踊りで、第2部の指導の時のお顔と
      はまた違った、芝居役者としての表情が印
      象的でした。
 
 
 
 
    最後は、伊良波冴子さんと中曽根律子さんの「チョ
   カリ節」。この舞踊は、駆け落ちする男女の踊りで、
   曲目の「狩俣ぬイサミガ節」の爽やかな恋の歌詞と
   べて、大阪に逃げようか東京に逃げようかといっ
   詞が対照的です。
 
    お二人とも、リラックスした様子で、休憩中も仲良く
   笑されていました。 
 
【上】第1部で解説と案内をされる 八木政男
さん(右)。宮里さんと相談中でしょうか。
【下】仲嶺眞永さん(右)と演出の幸喜良秀氏。
こちらもなにやら打ち合せ中です。
 
(公演情報はこちら) 
 
            
 
続いては、同日午後7時から行われた、第二部「多幸山」の稽古の様子をお伝えします。
 この日も、クライマックスの第三景、第四景を中心にお稽古が進められていました。
 
 
                     旅人役:宇座仁一さん  
 
 この日は参加者も増え、完成度も高まって、前回の
訪問時よりも白熱したお稽古でした。
公演日が近づくと、出演者、制作スタッフとも、真剣さ
が一段と増してきます。
 
 
 第三景の冒頭、25年ぶりに多幸山に登った旅人が
通りかかった多幸山の村人に25年前に起こった事件
について尋ねます。
 
右:多幸村の村娘役の山城亜矢乃さん(左)、松ゃーの
娘、チラ-小役の伊良波さゆきさん(中央左)、おなじく
松ゃーの娘、ウサ小役の小嶺和佳子さん(右)。そして
松ゃーの妻、アンマー役の知花小百合さん(中央右)。
 
見慣れない男を不審に思いながら、この男が夫の死に
関わる何かを握っているのではないかと感づくアンマー。
 
 
 
【上:苦悩の表情を浮かべて、過去の罪を
告白する旅人役の宇座仁一さん。 】 
 
 
男の告白に、衝撃をうける村の娘達と思わず胸を押さえ、倒れそうになるアンマー。
 
【左から】
山城亜矢乃さん、小嶺和佳子さん、知花小百合さん、伊良波さゆきさん
  この後、騒ぎを聞きつけた多幸村の村人達が、次々と集まってきます。村人達の旅人への怒りは押さえがたくなり、旅人を処刑しようとする集団の暴力に変わっていくのです・・・。果たして、旅人の運命やいかに!!
 
 
 
 この日、演出の幸喜氏や演技指導の平良進氏が、特に熱心に指導していたのは、《集団演技》についてでした。
 群衆の中の一人として演技をする時にどう動くべきか、名前のない村人であってもその人物像を考えて演じること
や、中心となる役の演技の妨げにならぬようにしつつも、全体の動きに流されないように演じるように・・・というよう
な指導をされていました。
 
  
 左から:知名剛史さん、嘉数道彦さん、玉城匠さん、
川満香多さん、山城亜矢乃さん、知花小百合さん
 
今回の演出の幸喜良秀(中央)の厳しい指示が飛びます。
 (左)演技指導の平良進さん。(右下)舞台監督の山城譲二
 
 
 
 
 何度も同じ場面を繰り返し稽古するうちに、みるみる全体の雰囲気や役者さん達の動きが変わってくるのが、よくわかりました。
 果たして本番当日の仕上がりはどうなっているのでしょうか、非常に楽しみです。本番当日、集団での演技にもどうぞご注目ください!
 
【左から:宇座仁一さん、天願雄一さん、岸本隼人さん、企画制作課職員】
最後に小道具の確認。
これも本番に向けて大切な作業のひとつです。
 
宇座さん、
「白髪がもっと乱れた感じのカツラをお願いします~」
なんていう相談をされていましたよ。
 
「イメージ通りのカツラを、必ず調達しますとも!」
と自信満々に応える制作スタッフ(右下)。
 
 
        本番まであとわずか!
5月沖縄芝居公演 「多幸山」 どうぞご期待ください!
 
  
(あらすじ、公演情報等はこちら)