令和2年5月13日策定

令和2年5月27日改訂

令和2年6月4日改訂

令和3年1月13日改訂

 

新型コロナウイルス感染症拡大予防ガイドライン

 

名称:公益財団法人国立劇場おきなわ運営財団

業種:劇場                

代表者:理事長 照屋 義実        


 本ガイドラインは、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(令和2年5月4日)及び「沖縄県新型コロナウイルス感染症拡大予防ガイドラインの作成について」(令和2年5月11日)において示されたガイドライン作成の求めに応じ策定する。
 なお、本ガイドラインの内容は、今後の「基本的対処方針」及び「実施方針」の変更のほか、新型コロナウイルスの感染拡大の動向や専門家の知見等を踏まえ、必要に応じて適宜改訂を行う。


 1 感染防止のための基本的な考え方

 国立劇場おきなわ運営財団(以下「財団」という。)及び公演又は催事等(以下「公演」という。)主催者は、施設の規模や公演の形態を十分に踏まえ、施設内及びその周辺地域において、当該施設の管理・運営に従事する者(以下、「従事者」という。)のほか、公演を鑑賞するために公演に来場する者(以下、「来場者」という。)や出演者、公演関係者の公演に関わる者(以下、「公演関係者」という。)への新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、最大限の対策を講ずるものとする。
 特に、①密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、②密集場所(多くの人が密集している)、③密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)という3つの条件(いわゆる「三つの密」)のある場では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられ、本ガイドラインは、これを避けることなど、自己への感染を回避するとともに、他人に感染させないように徹底することを旨とする。


 2 財団が講じるべき具体的な対策

  (1) リスク評価

 財団は、新型コロナウイルスの主な感染経路である接触感染(①)及び飛沫感染(②)のそれぞれについて、従事者のほか、来場者や公演関係者の動線や接触等を考慮したリスク評価を行う。
 大規模な人数の移動や県境をまたいだ移動が惹起される公演については、集客施設としてのリスク評価(③)及び地域における感染状況のリスク評価(④)も必要である。
 また、それらの公演については、沖縄県等において示される対応に基づいて実施の可否を判断する。実施不可能と判断し、財団が公演主催者に施設を利用させる場合においては、必要に応じて、公演主催者に対して施設利用ができない旨を伝達する。

   ①接触感染のリスク評価

 他者と共有する物品やドアノブなど手が触れる場所を特定し、これらへの接触の頻 度を評価する。高頻度接触部位(テーブル、椅子の背もたれ、ドアノブ、電気のスイ ッチ、電話、キーボード、レジ、蛇口 、手すり、エレベーターのボタン等)には特に 注意する。

   ②飛沫感染のリスク評価

 施設における換気の状況を考慮しつつ、人と人との距離がどの程度維持できるか、 施設内で大声などを出す場所がどこにあるか等を評価する。

   ③集客施設のリスク評価

 公演の開催にあたっては、大規模な人数の移動が見込まれるか、県域を越えた移動 が見込まれるか、人と人との距離が確保できるほどの来館にとどまるかどうか等について、これまでの施設の来場実績等に鑑み、評価する。

   ④地域における感染状況のリスク評価

 地域の生活圏において、地域での感染拡大の可能性が報告された場合の施設管理への影響について評価する。

 

  (2) 施設内の各所における対応策

   ①会場内

・各回の公演ごとに、その公演前に、会場内のドアノブや手すり等不特定多数が触れやすい場所の消毒を行う。
・空調設備を稼働し、適切な空調換気を行うこと。

   ②会場入口

・会場の入口に、手指消毒用の消毒液を設置する。不足が生じないよう定期的な点検を行う。
・劇場入口の行列では、最小1m(できるだけ2mを目安に)の間隔を空けた整列を促す等、人が密集しないよう工夫を行う。

   ③チケットカウンター

・対面で販売を行う場合、アクリル板や透明ビニールカーテンにより購買者との間を遮蔽する。
・チケット窓口の行列では、最小1m(できるだけ2mを目安に)の間隔を空けた整列を促す等、人が密集しないよう工夫を行う。
・現金の取扱いをできるだけ減らすため、オンラインチケットの販売を推奨する。
・開演前の書籍等の販売物は華風(ステージガイド)に限定する。

   ④貸公演等における当日券、預かり券等の販売ブース

・透明ビニールカーテンを利用するなど、飛沫等感染の対策を講ずる。

   ⑤ロビー、休憩スペース

・対面での飲食や会話を回避するよう促す。
・テーブル、椅子等の物品の消毒を定期的に行う。また、それらの配置を密接にならないように工夫する。

・沖縄県LINE公式アカウント「RICCA(りっか)」の読み込みQRコード等を掲示する。

   ⑥客席

・一人あたりの換気量20㎥/時の確保
・効果的な循環量や換気量(給気量に対して20~30%以上の外気)の確保
・ 休憩時間は劇場扉を開放して換気する。
・親子観覧室(大劇場2階)は常時扉を開けて換気する。
・演者等が発声する場合には、客席の最前列席は舞台前(舞台と客席の境界は演 技又は演奏エリアの境界とし、公演ごとに定める。)から十分な距離を取ることとし、最低でも水平距離で2m以上とする。

   ⑦稽古室

・楽器や道具等の共有は可能な限り少なくし、共有する場合はこまめに清掃・消毒を行う。

・利用する者は、使用する前後に室内及び備品の清掃・消毒を行う。
・稽古室の面積に応じて収容人数を制限する。
・利用者全員に対し、入場前に検温を行い37.5度以上は利用をお断りする。

   ⑧舞台

・公演関係者は、公演に支障のない範囲でマスクを着用する。 
・出演者は、公演に支障のない範囲で出演者間で適正な間隔をとる。
・舞台機材は使用に支障のない範囲でこまめに消毒する。
 

   ⑨楽屋

・公演時において、出演者が特定の楽屋に密集しないように、各楽屋に分散して割りあてる。
・食事の提供を行う場合には、パッケージされた食事を個別提供する等の工夫を行う。
・見舞い及び差入れ等の楽屋の出入りを控えるように周知する。

   ⑩研修室

・共有で触れる部分について、研修開始前に消毒を行う。(ドアノブ、電気のスイッチ、テーブル、椅子の背もたれ、座椅子等)
・研修前に講師及び研修生は検温をし、風邪症状のある人は帰宅する。

・研修に支障のない範囲でマスク着用、又はアクリル板等で遮蔽する。

 

   ⑪レファレンスルーム

・カウンター等において、アクリル板や透明ビニールを設置し飛沫対策を行う。
・座席間はスペースを空け、密接にならないように工夫する。

   ⑫企画展示室

・利用者が密にならないよう張り紙などで注意喚起を促す。

   ⑬トイレ

・不特定多数が接触する場所は、清掃・消毒をこまめに行う。
・ペーパタオルを設置する。
・劇場等トイレの混雑が予想される施設の場合、最小1m(できるだけ2mを目安に)の間隔を空けた整列を促す。

   ⑭カフェ・楽屋食堂

・家族等の一集団と他の集団との距離が十分な間隔(最低1m)となるよう座席を配置する。
・混雑時の入場制限を実施する。 
・食器、テーブル、椅子等の消毒を徹底する。
・割り箸やコップ等を常時テーブルに置くことを禁止する。

・入口に手指消毒液を設置する。
・飲食施設に関わる従業員は、マスクの着用と手指消毒を徹底し、カフェ・楽屋食堂の利用者も手指消毒を行ってから入場する。
・ユニフォームや衣服はこまめに洗濯する。

   ⑮清掃・ゴミの廃棄

・清掃やゴミの廃棄を行う者は、マスクや手袋の着用を徹底する。
・作業を終えた後は、手洗いを行う。

  (3) 従事者に関する感染防止策

・運営に必要な最小限度の人数とする。
・マスク着用や手指消毒を徹底する。
・ユニフォームや衣服はこまめに洗濯する。
・自宅等で検温を行うこととし、37.5度以上または平熱より1度高い場合には自宅待機とする。
・従事者の緊急連絡先や勤務状況を把握する。
・従事者に感染が疑われる場合には、南部保健所等の聞き取りに協力し、必要な情報提供を行う。

  (4) 周知・広報

・感染予防のため、以下について来場者に対して周知・広報する。
 -咳エチケット、マスク着用、手洗い・手指の消毒の徹底
 -社会的距離の確保の徹底

  (5) 保健所との関係

・公演における感染予防対策及び感染の疑いのある者が発生した場合には速やかに連携が図れるよう、南部保健所等との連絡体制を整える。


 3 公演主催者が講じるべき具体的な対策

   ※財団が公演を主催する場合には、財団が講じるものとする。

 <公演前の対策>

  (1) 密集回避・入場制限

・公演主催者は、公演の企画にあたって、密集を回避する方策や密な状況を発生させない工夫を行う。例えば、以下のような手段が考えられる。
 -開場・休憩時間の延長
 -入場時のチケット確認(もぎり)の簡略化
 -入場待機列の設置 
・高齢者や持病のある方については、感染した場合の重症化リスクが高いことから、より慎重で徹底した対応を検討する。

・有症状者が入場しないように、事前にチケット払い戻しの基準を決めて払い戻しをする。ただし、払い戻しをしない旨事前に周知している場合は、払い戻しをしないことができる。
 なお、貸公演については、令和3年4月1日の公演から適用する。

  (2) 来場者との関係

・チケットシステム等により事前に把握している範囲で、公演ごとに、来場者の氏名及び緊急連絡先を把握する。また、来場者に対して、こうした情報が必要に応じて保健所等の公的機関へ提供され得ることを事前に周知する。
・来場前の検温の実施の要請のほか、来場を控えてもらうケースを事前に周知する。

  (3) 公演関係者との関係

・氏名及び緊急連絡先を把握し、名簿を作成する。また、公演関係者に対して、こうした情報が必要に応じて保健所等の公的機関へ提供され得ることを事前に周知する。
・本ガイドライン及びこれを踏まえた現場の対応方針を、全員に周知徹底を図る。

 

 <公演当日の対策>

  (1) 周知・広報

・感染予防のため、来場者に対し以下について周知する。
 -咳エチケット、マスク着用、手洗い・手指の消毒の徹底
 -社会的距離の確保の徹底 

  (2) 来場者の入場時の対応

・以下の場合には、入場の取りやめを要請する。

 ①来場前に検温を行い、37.5度以上または平熱より1度高い場合
 ②咽頭痛を伴った咳などの症状がある場合
 ③新型コロナウイルス感染症陽性とされた者との濃厚接触がある場合

 ④過去2週間以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている 

国・地域への訪問歴及び当該在住者との濃厚接触がある場合

・入待ちは控えるよう呼び掛ける。
・検温は、自主公演は実施し、貸公演は機器の貸出及び実施協力依頼をする。

  (3) 来場者の感染防止策

・マスク着用及び定期的な手指消毒を奨励する。
・貸公演は、密接回避のため入場券は指定席とすることを推奨する。
・客席の間隔を1席ずつ空ける等、対人距離を確保する。

 なお、沖縄県イベント等実施ガイドライン等の沖縄県の指針により収容率の緩和が示された時は、その限りではない。

・公演中の来場者同士の接触は控えていただくよう周知する。
・来場者と接触するような演出(声援を惹起する、来場者をステージに上げる、ハイタッチをする等)は行わない。
・場内における会話制限を実施する。
・公演前後及び休憩中に、人が滞留しないよう、段階的な会場入り等の工夫を行う。

  (4) 公演関係者の感染防止策

・公演の運営に必要な最小限度の人数とする。
・マスク着用や手指消毒を徹底する。
・自宅等での検温を行うこととし、37.5度以上または平熱より1度高い場合には自宅待機とする。
・公演主催者は、従事者の緊急連絡先や勤務状況を把握する。
・公演関係者に感染が疑われる場合には、南部保健所等の聞き取りに協力し、必要な情報提供を行う。

  (5) 公演中に感染が疑われる者が発生した場合の対応策

・対応するスタッフは、マスクや手袋の着用を講じた上で対応する。
・感染が疑われる者が公演中に発生した場合、速やかに別室へ隔離を行う。
・感染が疑われる者から直接、沖縄県相談窓口コールセンター 等に連絡するよう指示する。

  (6) 来場者の退場時の対応

・出待ちは控えるよう呼び掛ける。

 

 <公演後の対策>

・公演ごとに、可能な範囲で来場者の氏名及び緊急連絡先を把握し、名簿を作成・保存する。
・感染が疑われる者が出た場合、南部保健所等の公的機関による聞き取りに協力し、必要な情報提供を行う。
・来場者、公演関係者、従事者の氏名及び緊急連絡先の個人情報の取り扱いは、法令を遵守するとともに名簿等の適正な管理を徹底する。