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9月企画公演
「新作組踊 サシバの契り」 稽古場レポート!
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今月の稽古場レポートは、9月17・18日に大劇場で上演される、大城立裕作の新作組踊「サシバの契り」の稽古の様子をお届けします。この日は、台風9号が去って間もない8月9日(火)。午後7時から大稽古室で稽古は行われました。
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主役のお二人。(前列左から)サシバの精カナスミガ役:佐辺良和さん、元海賊ウミワカ役の川満香多さん。(後列左から)島人役:岸本隼人さん、箏:池間北斗さん、胡弓:森田夏子さん
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本作は、組踊初ともいえる、宮古島を舞台にした物語。渡り鳥のサシバを題材にした素朴な雰囲気の作品ですが、群れをなくした孤独な二人、元海賊ウミワカとサシバの精カナスミガの美しい恋の物語であり、また他所者の二人が共に島で生きようとする試練の物語でもあります。宮古の民謡や舞踊もふんだんに使われ、いろんな見方で楽しめる作品です。
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ウミワカ役の川満香多さん。
ウミワカは、元はヤマト筋の海賊。仲間と共に、唐から先島にかけて荒らしまわっていたのですが、病のため、ひとり宮古島に残されます。島人からは、他所者であるウミワカの存在が近頃の不漁の原因だと見なされ、疎外され独り淋しく暮らしています。
カナスミガと出会う前の、つらい身の上を語るウミワカ・・・。神妙な面持ちですね。
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そんなウミワカの前に現れたのが、美しいサシバの精カナスミガ。
サシバ(差羽)はタカの仲間で、毎年秋になると日本や中国から、南西諸島などを経由して、東南アジアへと渡る渡り鳥です。カナスミガも、ヤマトからルソンへ渡る途中、病に倒れ、島に残された一羽のサシバでしたが、ウミワカに助けられたことで、美しい乙女の姿のサシバの精・カナスミガとして、ウミワカの前に現れたのです。
カナスミガ役の佐辺良和さん。ウミワカに出会った幸せを踊る場面。
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そして島人達。魚が獲れないことを、元海賊・ウミワカが神の怒りに触れたせいだとして、ウミワカを排除しようとする島人達に、あまり酷いことをしてサシバの陰徳を逃すなとマサムイがなだめます。マサムイは、島でウミワカとカナスミガの唯一の理解者です。
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(左から) マサムイ役:天願雄一さん、島人役:玉城匠さん、岸本隼人さん、呉屋智さん
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この日の稽古は、舞踊の振付の真っ最中でした。振付指導の阿嘉修さんが、それぞれの場面にあわせて熱心に振付をされていました。まずは島人達の踊りの場面です。
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左から:玉城匠さん、岸本隼人さん、阿嘉修さん、呉屋智さん
「そこに立って、こうしてこうして・・・。」
玉城さんと立ち位置などを確認する阿嘉さん。
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島人達の自主練習。
「こうして、こうだったかな。」「フムフム・・・。」
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「わかった、そして、こうでしょ?」
「う、うん・・・」「う~ん、そうだったっけ?」
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続いて、ウミワカとカナスミガが踊る場面の振付です。阿嘉さん大忙しです。
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優雅なカナスミガの動きが創り出されていく瞬間です。
後ろでは、海賊役の二人(池間隼人さん、上江洲勝さん)が鏡をみながら自主連中。
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「そしてチュンチュンとウミワカの肩に止まる、と。」(阿嘉さん)「チュンチュン。」(佐辺さん)「笑。」(川満さん)
サシバはスズメじゃないですよ・・・。
冗談を交えながらのリラックスした一コマです。
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最後は島人達と海賊達の場面。迫力があって力強いこの踊りは必見です。本作では、宮古の民謡にあわせた数々の舞踊も見どころのひとつです。
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(左から)海賊役:池間隼人さん、振付の阿嘉修さん、海賊役:上江洲勝さん、
島人役:呉屋智さん、玉城匠さん、岸本隼人さん
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本番に向け、猛稽古中!
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なんと、この日は、2件の取材がありました。
宮古ケーブルテレビさん(左)と「国立劇場おきなわステージガイド『華風』」9月号(中央)です。
【お知らせ】
*宮古ケーブルテレビでは、8/19(金)~8/26(金)の間、宮古出身の川満香多さんのインタビューに併せてこの日の稽古の様子が放送される予定です。宮古にお住まいの方は、どうぞ宮古テレビにもご注目ください!
*『華風』9月号では、作者・大城立裕氏と演出の大田守邦氏の対談が特集されます。「サシバの契り」台本や出演者紹介もあり、読み応えたっぷり。9月1日(木)発売予定です。
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