沖縄伝統芸能の振興と新たな作品の発信を目指して平成22年に設立された国立劇場おきなわ「創作舞踊大賞」。第5回目となる今回も、数多くの意欲的で個性豊かな作品の応募があり、審査の結果、「遊行流れ」(作/比嘉いずみ)が栄えある大賞を受賞しました。伝統の保存継承を踏まえつつ、創造を積み重ねることで、さらなる発展を続けてゆく琉球舞踊の新たな芽吹きをどうぞご覧ください。
-演目-
〔第一部〕
◆招待舞踊作品部門(これまでに創作されてきた創作舞踊作品と受賞曲の中から、定評のある優れた作品を上演します。)
・「菊の錦」 作/平良恵子 踊り手/城戸千代美・豊永愛子
・「団扇踊り」 作/島袋光晴 踊り手/島袋秀乃
・「出砂」 作・踊り手/玉城千枝 (国立劇場おきなわ委嘱作品)
【地謡】 歌・三線/銘苅盛隆・城間盛秋・吉元博昌・島袋功 笛/宇保朝輝
箏/安慶名久美子 胡弓/新垣俊道 太鼓/髙宮城実人
◆「第5回創作舞踊大賞」入賞作品部門(入賞3作品の上演後、表彰式と審査委員による総評がございます。)
【佳作】 作品名/「十五夜(じゅうぐや)」 作/真境名あき
〈踊り手〉真境名あき
〈地 謡〉歌・三線/森田夏子・新垣恵・玉城あゆみ 箏/池間北斗
笛/横目大哉 太鼓/賀数さやか 胡弓/新垣俊道
〈作品意図〉
幼少の頃の十五夜の記憶をたどると、家の前庭にムシロを敷いて、石臼にススキを立て、ふちゃぎ(十五夜餅)を備える。子供 達はアダンで編んだ籠をもち、隣近所を周りふちゃぎをもらい籠に入れ持ち帰り、庭で遊ぶ。月が真上に上がった頃月拝みをす る。月が真上にあり、凛と神々しい中、涼風が心地よく心和むひと時...。
幼少の頃の十五夜月見の風情を表現した作品です。
【奨励賞】 作品名/「志情の綾糸(しなさきのあやいと)」 作/玉城靜江
〈踊り手〉 玉城靜江・東江裕吉
〈地 謡〉 歌・三線/照喜名進・上原睦三 箏/安慶名久美子
笛/宇保朝輝 太鼓/金城弘子
〈作品意図〉
かつて女性の手仕事であった糸をつむぎ織り染め上げる様子を縦糸に、島に赴任してきた首里の里之子へ淡い恋心を寄せる島の 娘の純情を横糸に表現し、志情の綾糸としました。
糸をかけて巻きとる綛掛けを題材に恋を知りはじめた村娘の純な心情を表現した作品です。
【大賞】 作品名/「遊行流れ(ゆぎょうながれ)」 作/比嘉いずみ
〈踊り手〉 比嘉いずみ
〈地 謡〉 歌・三線/新城亘・入嵩西康文 箏/喜屋武初江
笛/我那覇常允 太鼓/大城みゆき
〈作品意図〉
沖縄にはかつてチョンダラー(京太郎)とよばれた遊行(ゆぎょう)芸能者がいて、正月や節目の行事では千秋万歳の祝詞をう たい、お盆や年忌葬式などでは念仏を唱えていました。沖縄の芸能には、万歳、鳥刺し舞・駒舞・人形舞わし・念仏歌など、 チョンダラー芸の足跡を見る事ができます。沖縄芸能を成立させていった主体の一つに遊行者たちの芸能があり、沖縄芸能の祖 型を促したと考えられます。その内容をテーマにした作品です。
〔第二部〕
◆招待舞踊作品部門(これまでに創作されてきた創作舞踊作品と受賞曲の中から、定評のある優れた作品を上演します。)
・「初實」作/安座間澄子
〈踊り手〉安座間明美・新垣満子・久手堅一子・神谷みつ子・仲座悦子
山城亜矢乃・上間千加子・伊禮末子
・「今帰仁道行」作/谷田嘉子・金城美枝子
〈踊り手〉山川昭子・大城直江・長山真由美・水野桃子・山城一奈
吉元貴子
・ 創作琉球舞踊組曲 「新南島風土記・ニライの島」
作・作曲・構成/高江洲義寛 脚色・振付・演出/新崎恵子
〈出演者〉新垣恵子・宮城葉子・花城富士子・呉屋かなめ・小嶺和佳子
西村綾乃・松田香織・宮城麻紀子・玉城舞乃・佐久本利彦
川満香多・田口博章・仲宗根弘将・玉城匠・上原崇弘
日向万裕・田口結菜
【地謡】
歌・三線/花城英樹・横目大通・横目大哉 太鼓/髙宮城実人
箏/仲大千咲 笛/豊里美保 胡弓/西山朝子
※演目・出演者等は都合により変更の場合がございます。あらかじめご了承ください。
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