火花方日記
『火花方日記』は1866年に行われた、琉球国最後の国王・尚泰の「御冠船(冊封礼)」における「火花方」の記録です。「火花方」は臨時の役職で、中秋宴で「からくり花火」を担当しました。
同日記は、火花仕手(花火師)と弟子及び事務方の人事や火薬の手配、道具の調達、「お試し・お調べ」と呼ばれる試演会の日程や演目の記録、事務連絡などの公文書のほか火花方に寄せられた手紙なども綴られています。巻末に彩色された「からくり花火の絵」があり、琉球の花火の様子を現代に伝える唯一の史料です。

※国宝・尚家文書 第183号 『大清同治五年丙寅 火花方日記』(那覇市歴史博物館所蔵)
※国立劇場おきなわ監修 麻生伸一・茂木仁史編『火花方日記の研究』榕樹書林、2020年
※国立劇場おきなわ監修 麻生伸一・茂木仁史編『火花方日記の研究』榕樹書林、2020年