琉球国の「からくり花火」
かつて琉球国に「からくり花火」がありました。首里城の庭では打ち上げ花火が出来ないことから、代わりに精緻なからくりに花火を仕掛けて国王や来賓の中国人を驚かせ、喜ばせたのです。その担い手は首里の士(サムレー)で、家の名誉を懸けた大仕事でした。しかし、琉球国の消滅とともに花火の伝統も消えてしまったのです。
国立劇場おきなわでは『火花方日記』という1866年に首里城で行われた花火の記録を基に、からくり花火の復元を行いました。幻とされてきた琉球国の文化の輝きを甦らせたのです。